ソロー

ヘンリー・デイヴィッド・ソロー
Henry David Thoreau, 1817-1862

[伝記]
アメリカの作家・思想家。1817年マサチューセッツ州コンコードに生まれる。1837年(20歳)、ハーヴァード大学を卒業。その後、母校の小学校教師や、私塾の経営に携わったのち、エマソンを中心とする超越主義者たちの機関誌『ダイアル』(4年間発行)の編集にたずさわり、詩や文章、翻訳などを発表(計31篇)。1845年7月4日のアメリカの独立記念日に、コンコードの南方2kmにあるウォールデン湖のほとりに小さな小屋を建て、2年2か月、独居生活をおくる。そこで処女作『コンコード川とメリマック川の1週間』(1849年)を完成、『ウォールデン―森の生活』(1848年)の執筆を開始。様々な著作活動を行う中で、奴隷制度を支持し、メキシコ戦争を推進するアメリカ政府への抗議として、税金の支払いを拒否したことから投獄されるなどしたが、そのような態度を彼は崩すことがなかった。1862年、肺結核のため、44歳で亡くなった。

・ソローの政治思想の影響は、ロシアのトルストイや、インドのガンジー、キング牧師の公民権運動や、ベトナム反戦運動にまで大きな影響を与えたといわれている。

[主要著作、関連文献]
・『ウォールデン 森の生活』佐渡谷重信訳、講談社学術文庫 1991年、酒本雅之訳 『ウォールデン』筑摩書房、2000年、今泉吉晴訳『ウォールデン 森の生活』小学館、2004年。
・『メインの森』小野和人訳、金星堂、1992年。
・『コッド岬 海辺の生活』飯田実訳、工作舎、1993年。
・『市民政府への反抗(市民的不服従)』飯田実訳、岩波文庫、1997年。
・『ザ・リバー』真崎義博訳、宝島社、1993年。
・『森を読む 種子の翼に乗って』伊藤詔子訳、宝島、1995年。
・『野生の果実』伊藤詔子・城戸光世訳、松柏社、2002年。
・『生き方の原則 魂は売らない』山口晃訳、文遊社、2007年。
・『ウォーキング』大西直樹訳、春風社、2005年。
・『月下の自然 夜の散歩と思索のエッセイ』小野和人訳、金星堂、2008年。
・『ソロー語録』岩政伸治訳、文遊社、2009年。
・『ソロー博物誌』山口晃訳、彩流社、2011年。

(魚津38頁以降を参照。)

[参考文献]
・魚津郁夫『プラグマティズムの思想』、ちくま学芸文庫、2006年。

Comments are closed