著者：吉田幸司　出版社：マガジンハウス

難易度：☆☆☆☆
哲学的に思考することの入門書。ビジネスや日常生活で使える。

著者：今道友信　出版社：講談社

難易度：★★☆☆☆
古代から20世紀初頭までの哲学史を口語体で概説している入門書。哲学・美学の重鎮である著者の講義をもとに、平易な文章で書かれている。哲学の基本問題の流れを、著者自身の言葉で統一的に美しく語っているため、読み物としても面白い。本書の姉妹篇として『現代の思想―20世紀後半の哲学』がある。

著者：原佑、井上忠、杖下隆英、坂部恵　出版社：東京大学出版会

難易度：★★★☆☆
古代から20世紀前半までの哲学史の思潮を追っている入門書。『原典資料集』や岩崎武雄の『西洋哲学史』が項目ごとに解説しているのに対して、本書は、哲学史の流れを追うように文章になっている。付録として、古代から現代までに哲学の舞台となった西欧の地図が付いている。

著者：内山勝利、小林道夫、中川純男、松永澄夫 他編 出版社：中央公論新社

難易度：★★★★☆
哲学史を通覧する上で、最も信頼できる入門書の一つ。全12巻＋別巻から構成される。各分野ごとの研究者が、専門的な質を落とさずに、わかりやすく解説している。写真やイラスト、脚注も充実している。

著者：山本巍ほか　出版社：東京大学出版会

難易度：★★★☆☆
原典の重要箇所を抜粋しながら、古代哲学、中世哲学、近代哲学、現代哲学を概観する入門書。思潮の流れや各哲学者に関する短い解説に続いて、キーワードごとに原典の該当箇所を引用する構成となっている。原典も参照しながら読みたいという人にはおすすめだが、解説は短い。

著者：岩崎武雄　出版社：有斐閣

難易度：★★★☆☆
古代哲学から20世紀初頭までの西洋哲学史が、教科書的に整理されている入門書。西洋哲学史の代表的な哲学者、主義、思想が項目ごとに解説されている。初版が1952年なので20世紀初頭までの哲学史しか記載されていないが、哲学史の基本事項がよく整理されている。著者の経歴からか、カントやドイツ観念論に紙数がやや多く割かれている。

著者：波多野精一、牧野紀之　出版社：未知谷

難易度：★★★☆☆
西田幾多郎と同時代の日本の哲学者 波多野精一が著した西洋哲学史。

著者：岩田靖夫ほか　出版社：有斐閣

難易度：★★☆☆☆
古代から20世紀までの西洋哲学史あるいは西洋思想史の入門書。「断片的な知識の羅列ではなく、西洋哲学の全体を統一的にかつ本質的に理解できる『いわゆる読める哲学史』」として書かれている（「まえがき」より）。第IV部では、「科学的理性批判―現代哲学の展開」と題して、科学哲学や分析哲学の展開についても書かれている。

著者：ラッセル 訳者：市井三郎　出版社：みすず書房

難易度：★★★★☆
イギリスの哲学者バートランド・ラッセルの著したHistory of Western Philosophyの翻訳。ラッセル自身の立場が背景にあるため、標準的な哲学史の入門書とはいえない。だが、著者自身がいうように、一人の著者が哲学史の全体を語っているという点では統一性をもっている。ラッセルの英語は明晰で読みやすいので、英語で哲学史を勉強したい人は、1000ページ近くある原書を手に取るとよい。

著者：荻野弘之　出版社：日本放送出版協会

難易度：★★☆☆☆
古代哲学、特にソクラテス以前の古代ギリシア哲学の入門書。問題を共有する近現代の哲学や古今東西の思想など、様々な題材を取り上げながら、プロタゴラスらソフィストまでの哲学・思想が扱われている。付録として、「古代ギリシア哲学年表」と「古代ギリシアとその周辺」の地図が付いており、原典からの引用、挿絵、参考文献表も充実している。本書の姉妹篇として『哲学の饗宴―ソクラテス・プラトン・アリストテレス』がある。

著者：荻野弘之　出版社：日本放送出版協会

難易度：★★☆☆☆
古代哲学、特にソクラテス、プラトン、アリストテレス哲学の入門書。具体例やイラストを併用した明晰な解説により、ソクラテスたちの哲学の本質を学ぶことができる。付録として、「古代ギリシアとその周辺」と「アテナイ市街（前400年頃）」の地図が付いており、原典からの引用、挿絵、参考文献表も充実している。本書の姉妹篇として『哲学の原風景―古代ギリシアの知恵とことば』がある。

著者：アームストロング　訳者：岡野昌雄、川田親之　出版社：みすず書房

難易度：★★★★☆
ミレトス派のタレスから、中世哲学への移行期に位置するアウグスティヌスまでの古代哲学史。

著者：リーゼンフーバー　出版社：平凡社

難易度：★★★☆☆
古代・中世哲学研究の第一人者、K. リーゼンフーバー氏による通史。ヘシオドスやイオニア学派（ミレトス学派）の古代哲学に始まり、エックハルトやクザーヌスまでの中世哲学、近代への移行までが扱われている。原典からの引用や文献表、索引も充実している。著者が上智大学で「中世哲学」の授業を担当していたときも本書がテキストに指定されていた。

著者：リーゼンフーバー　出版社：平凡社

難易度：★★★★☆
古代・中世哲学研究の第一人者、K. リーゼンフーバー氏による中世思想史。「古代キリスト教・教父思想」に始まり、「中世前期の文化と思想」、「初期スコラ学の思想」、「アラブ哲学とユダヤ思想」、「盛期スコラ学の思想」、「後期中世の思想」、「近世への移行」が扱われている。『西洋古代・中世哲学史』よりもやや専門的で、著者が上智大学「中世哲学」の授業を担当していたときは参考文献として紹介されていた。

著者：コプルストン　訳者：箕輪秀二、柏木英彦　出版社：創文社

難易度：★★★★☆
中世哲学史。古代・中世哲学の専門家も参照する、やや専門的内容。

著者：マレンボン　訳者：中村治　出版社：勁草書房

難易度：★★★★☆
中世初期の哲学史。古代・中世哲学の専門家も参照する、やや専門的内容。

著者：マレンボン　訳者：加藤雅人　出版社：勁草書房

難易度：★★★★☆
中世後期の哲学史。古代・中世哲学の専門家も参照する、やや専門的内容。

著者：宮谷宣史　出版社：講談社

難易度：★★★☆☆
古代から中世への過渡期に位置するアウグスティヌスの解説書。

著者：稲垣良典　出版社：講談社

難易度：★★★☆☆
中世最大の哲学者・神学者トマス・アクィナスの解説書。

著者：九鬼周造　出版社：岩波書店

難易度：★★★★☆
西田幾多郎と同時代の日本の哲学者 九鬼周造が著した西洋哲学史。

著者：門脇俊介　出版社：産業図書

難易度：★★★☆☆
20世紀の哲学を教科書的に説明している入門書。特に、知識・言語・行為や、自然主義と反自然主義の対立にまつわる諸問題を重点的に扱っている。英米系の分析哲学とヨーロッパ大陸系の哲学の両方が取り上げられているが、前者に比重がおかれている。

著者：渡邊二郎　出版社：放送大学教育振興会

難易度：★★★☆☆
近代から20世紀までの哲学を教科書的に説明している入門書。英米系の分析哲学とヨーロッパ大陸系の哲学の両方が取り上げられているが、後者に比重をおいている。

著者：原佑、井上忠、杖下隆英、坂部恵　出版社：東京大学出版会

難易度：★★★☆☆
古代から20世紀前半までの哲学史の思潮を追っている入門書。通史ではあるが、近代と現代の哲学史の入門書としても、よくまとまっている。付録として、古代から現代までに哲学の舞台となった西欧の地図が付いている。

著者：岩田靖夫ほか　出版社：有斐閣

難易度：★★☆☆☆
古代から20世紀までの西洋哲学史あるいは西洋思想史の入門書。「断片的な知識の羅列ではなく、西洋哲学の全体を統一的にかつ本質的に理解できる『いわゆる読める哲学史』」として書かれている（「まえがき」より）。第IV部では、「科学的理性批判―現代哲学の展開」と題して、科学哲学や分析哲学の展開についても書かれている。

著者：今道友信　出版社：放送大学教育振興会

難易度：★★★☆☆
20世紀初頭から20世紀後半の哲学を概説している入門書。20世紀の哲学および哲学者を網羅的に紹介している。本書の姉妹篇として同著者による『西洋哲学史』があり、古代から20世紀初頭までの哲学史についてはそちらを参照されたい。

著者：プラトン　訳者：久保勉　出版社：岩波書店

難易度：★★★☆☆
哲学者と聞いてソクラテスを思い浮かべる人が多いかもしれないが、実のところ、ソクラテスは一冊の著作も著していない。生前のソクラテスについては、プラトンやアリストファネス、クセノフォンいった人々の著作から知られるのであるが、プラトンの対話篇に登場するソクラテスも、ほとんどはプラトンの言葉を代弁しているに過ぎず、ソクラテス本人が語った事柄ではない。しかし、本書に所収されているプラトンの初期対話篇「ソクラテスの弁明」と「クリトン」は史実にもとづき、ソクラテス自身が語った事柄だと考えられている。

著者：デカルト　訳者：谷川多佳子　出版社：岩波書店

難易度：★★★☆☆
「我思う、ゆえに我ありCogito ergo sum」で知られるフランスの哲学者デカルトの『方法序説』の翻訳。第I部：学問に関する様々な考察、第II部：デカルトが探求した方法の主たる規則、第III部：その方法からひきだされた道徳上の規則、第IV：神の存在と人間の魂の存在を証明する論拠、第V部：デカルトが探求した自然学の諸問題の秩序、第VI部：自然の探求においてさらに先に進むために何が必要だと考えられるか、が論じられている。

著者：ラッセル　訳者：高村夏輝　出版社：筑摩書房

難易度：★★★☆☆
20世紀初頭、G. E. ムーアとともに観念論に対する実在論的反動を開始し、分析哲学の嚆矢となったイギリスの哲学者ラッセル。A. N. ホワイトヘッドとともに大著『プリンキピア・マテマティカ』を執筆したのち、本書でセンスデータ論を展開する。明晰な論旨で展開される本書は哲学入門書として読み継がれている。原書のタイトルはThe Problems of Philosophy（1912年）。

著者：戸田山和久　出版社：日本放送出版協会

難易度：★★☆☆☆
センセイ、リカ、テツオの対話形式で進む、科学哲学の入門書。第I部では、科学の方法、帰納、法則、予言、説明といった諸概念が、第II部では、科学的実在論が、第III部では、科学理論とその目的が、主として取り上げられている。「科学哲学って何？それは何のためにあるの？」という基本的問題から近年の科学哲学の問題まで、わかりやすい対話と解説で案内してくれる。人物・用語解説や、読書案内、科学哲学の問題集が付してある。

著者：伊勢田哲治　出版社：名古屋大学出版会

難易度：★★★☆☆
創造科学や、占星術、超能力研究、代替医療、確率・統計的思考法などの「疑似科学」との対比を通じて、科学および科学哲学の問題を考察している、科学哲学の入門書。科学と疑似科学の境界設定問題について、「線を引かずに線引き問題を解決」しようとしている。参考文献・ウェブサイト表が付されている。

著者：小林道夫　出版社：産業図書

難易度：★★★☆☆
科学、とりわけ物理学を中心に、科学哲学の諸問題を教科書的に概説している科学哲学の入門書。科学の歴史（科学史）と、科学哲学の両面を兼ね備えており、近代科学の成立についても解説されている。各章の最後に問題が出題されている。

著者：内井惣七　出版社：世界思想社

難易度：★★★★☆
標準的な科学哲学の教科書。「科学と哲学」、「自然科学の方法」、「反証主義」、「科学的説明」、「理論、観察、測定」、「仮説の形成と確証」、「科学理論の変遷」、「科学の目的」の8章から成る。「科学哲学入門」と題してあるが、上掲の戸田山、伊勢田、小林の入門書に比べるとやや専門的。

著者：朝永 振一郎　出版社：岩波新書

難易度：★★☆☆☆
ノーベル物理学賞を受賞した日本人物理学者、朝永振一郎の著作『物理学とは何だろうか』。上巻はケプラー、ガリレオ、ニュートンら、近代の物理学から始まり、熱力学・技術革命・エントロピーまで、物理学の歴史（物理学史）を跡づけている。下巻は、ドルトンらの近代原子論の成立に始まり、熱・分子運動論、マクスウェルらの統計力学について跡づけたあと、科学と文明について著者の見解が論じられている。科学史の入門書にもなる。

著者：アインシュタイン　出版社：岩波文庫

難易度：★★★☆☆
アインシュタイン本人が1905年に書いた論文の翻訳であり、今日では「特殊相対性理論」と呼ばれている（原著の表題は「動いている物体における電気力学Zur elektrodynamik bewegter Koerper」）。 ローレンツ変換の公式自体は、アインシュタインより先に、ローレンツが導出していたが、アインシュタインが画期的だったのは、この論文の最初で「同時刻の定義」を行い、「相対性原理」という「原理」をたてたことにある。後半部分は、大学の学部2～3年次に習うマクスウェル方程式の知識を必要とするが、前半部は、中学生レベルの数学と、普通の日常語で書かれているため、高校生でも読める内容となっている。

著者：ニールス・ボーア、山本 義隆 (訳)　出版社：岩波文庫

難易度：★★★★☆
量子論の基礎を作ったニールス・ボーアの論文集『因果性と相補性』。量子力学は、コペンハーゲン解釈として定式化されるまで、様々な問題があり、アインシュタインやボーア、ハイゼンベルクらは議論を交わしていた。量子論には、「観測問題」のような科学哲学的問題があり、今日でも議論が続いている。少し専門的な内容なので、前期量子論の基礎知識を必要とする。

著者：ニールス・ボーア、山本 義隆 (訳)　出版社：岩波文庫

難易度：★★★★☆
量子論の基礎を作ったニールス・ボーアの論文集『量子力学の誕生』。量子力学は、コペンハーゲン解釈として定式化されるまで、様々な問題があり、アインシュタインやボーア、ハイゼンベルクらは議論を交わしていた。量子論には、「観測問題」のような科学哲学的問題があり、今日でも議論が続いている。少し専門的な内容なので、前期量子論の基礎知識を必要とする。

著者：ハイゼンベルク、山崎和夫 (訳)　出版社：みすず書房

難易度：★★★☆☆
量子論を築き上げた奇才の物理学者ハイゼンベルクの『部分と全体』。コペンハーゲン解釈と呼ばれる今日の量子論の基礎は、哲学・思想の影響を受けて形成された。

著者：相良亨　出版社：ぺりかん社

難易度：★★★☆☆
日本思想史の入門書。古事記や万葉集に始まり、空海や最澄らの仏教・密教、『源氏物語』、浄土思想、慈円、道元、日蓮、親鸞、『平家物語』、吉田兼好、中世説経集、『葉隠』、武士道、伊藤仁斎らの儒学、荻生徂徠、本居宣長、吉田松陰、福沢諭吉、中江兆民、西田幾多郎などが取り上げられている。原文の引用と解説多数。

編者：常俊宗三郎　出版社：世界思想社

難易度：★★★☆☆
日本の哲学の入門書。日本の近現代の哲学者が取り上げられている。西田幾多郎の「絶対無とその体系」、田辺元の「種の論理」、和辻哲郎の「間柄としての人間存在」、九鬼周造の「邂逅の論理」、三木清の「構想力の論理」、植田寿蔵の「視覚の論理」、西谷啓治の「根源的主体性の哲学」、波多野精一の「時と永遠」の8章から成る。

著者：西田幾多郎　注釈：小坂国継　出版社：講談社

難易度：★★★★☆
日本の哲学者 西田幾多郎の処女作。純粋経験の立場から自覚の立場、場所の立場へと深まっていく西田哲学の出発点。第一編 純粋経験、第二編 実在、第三編 善、第四編 宗教から成る。講談社学術文庫版では、原文の他に、小坂国継氏による注釈と解釈、補論が付されている。

著者：上田閑照　出版社：岩波書店

難易度：★★☆☆☆
西田幾多郎やエックハルトの研究者としても著名な日本の哲学者 上田閑照氏が「私とは何か」という問題に迫った新書。「私とは何か？」、「間奏曲―「有る私」と「無い私」」、「自我と自己」、「立って「我」・坐して「我なし」」、「実例―ルター、山川登美子、山頭火、放哉、片山広子、西田幾多郎」、「コギト」、「私と汝」、「自覚と自意識」、「無我ということ」、「「私の個人主義」と「則天去私」―夏目漱石の場合」から成る。

著者：上田閑照　出版社：岩波書店

難易度：★★★☆☆
『善の研究』における純粋経験の立場から、自覚の立場、場所の立場へと回転していく西田幾多郎の思索への導き。「西田幾多郎の思索」「経験と自覚」「禅と哲学」「西田哲学を読む難しさ」「西田哲学の根本的立場」の5章から成る。

編者：廣松渉　出版社：岩波書店

難易度：★★★☆☆
初学者から専門家まで使える哲学・思想事典。専門的な用語まで掲載されているが、分厚く大きいので基本的には書棚用。非専門家・初学者は『岩波哲学小辞典』や『朝日キーワード別冊 哲学』で事足りるかも。

出版社：平凡社

難易度：★★★☆☆
初学者から専門家まで使える哲学事典。専門的な用語まで掲載されているが、分厚く大きいので基本的には書棚用。非専門家・初学者は『岩波哲学小辞典』や『朝日キーワード別冊 哲学』で事足りるかも。

編者：粟田賢三、古在由重　出版社：岩波書店

難易度：★★☆☆☆
初学者から学部生くらいまで使える哲学辞典。コンパクトで手頃だが、専門家には物足りないので、大学院生以上には、上掲の『岩波哲学・思想事典』や『哲学事典』をお勧めする。

監修者：木田元　出版社：朝日新聞社

難易度：★★☆☆☆
初学者から学部生くらいまで使える哲学事典。古代哲学から現代哲学までの主要なキーワードがコラム形式で解説されている（辞書ではない）。コンパクトで手頃だが、専門家には物足りないので、大学院生以上には、上掲の『岩波哲学・思想事典』や『哲学事典』をお勧めする。